BMWからリリースされたサブブランドBMW i。このブランドは環境性能に対応した次世代車のリリースを目的と2013年に誕生しました。電動化の波が押し寄せる自動車業界においていち早く電動化ブランドを立ち上げたBMW。2019年時点においてヨーロッパを中心とした電動化ブランドはメルセデス・ベンツやアウディ、ボルボなどさまざまなメーカーが乗り出していますが、これらのメーカーよりも5年以上も早く電動化ブランドを立ち上げたBMWは時代の流れを先取りしていたと言っても過言ではないでしょう。BMWの電動化ブランドBMW iの立ち上げとともにデビューしたモデルが今回ご紹介するBMW i8です。電動化ブランドBMW iのフラッグシップの立場も担うi8はデザイン性、環境性能、パフォーマンスどれを取っても先進的で近未来感あるモデル。デビューから早くも6年が経過しますが未来的な存在感は変わりがありません。そんなBMW i8の秘密や魅力について探っていきましょう。
新時代のスーパーカーi8
出典元:ウィキメディア
BMW i8の特徴はなんといってもプラグインハイブリッドスーパーカーであるということ。全長4690mm全幅1940mm全高1300mmとワイド・アンド・ローなスタイルを取り入れ2ドアバタフライドアを採用しているあたりはスーパーカーそのものと言って良いでしょう。BMW i8において1番のトピックは1.5L直列3気筒ガソリンターボエンジンにモーターを組み合わせ充電可能なバッテリー容量を持つプラグインハイブリッドであるということ。リアにエンジンを搭載しフロントにモーターを搭載する一種のパートタイム四輪駆動システムを搭載しているi8は未来的なパワートレインのみならずデザインも実に未来的なのです。
デザインから見るBMW i8
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BMW i8の近未来的なデザインのポイントは空力性能を突き詰めた水玉型シェイプがポイントです。車両前方から後方に向けて絞り込まれた水玉型スタイリングは最も空気の抵抗を受けにくい形と言われており燃費性能と走行性能を向上させるキーポイントとなっています。車両後方はギュッと絞り込まれているのにも関わらずワイド感が感じられるのは小型軽量長寿命のLEDランプが組み合わされていることにより実現できているのです。カラーリングはツートーンカラーが採用されておりBMW iのイメージカラーでもある鮮やかなブルーが差し色になっているところが特徴です。
BMW i8のエクステリアは薄く広く低くデザインされているためスーパーカーらしさを生み出すことができています。スーパーカーの定番ともいえる上方に向かって開くドアを開けるとクリーンで未来的なインテリアが広がっています。スポーツシートに身を収め目の前に広がる景色はドライバーのためのコックピット。ドライバー側に向けられたダッシュボード、ブルーのイメージカラーが入った握りごたえがあるステアリング、ステアリングの奥には必要な情報を表示する液晶ディスプレイメーターが見えます。手に伝わる感触が心地よいインテリアアイテムと必要なスイッチ類だけが配置されたセンターコンソールにより室内空間の落ち着きとマシンに乗っている実感を適度に伝えてくるインテリアデザインは上質な空間でありながらもくつろげることができます。ブルーのシートベルト、インテリアイルミネーションによって独特の世界を作り出すBMW i8は昼も夜も特別なモデルに乗っている実感を与えてくれます。まさにスーパーカーに必要な要素を満たしているといえるでしょう。
新たなカテゴリーの創造
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スーパーカーといえば大排気量のエンジンでガソリンを爆発させて爆発パワーを耳と身体で感じながらドライブするといったイメージを持つかと思いますが、BMW i8は真逆の性格を持っています。電気モーターによる静かな発進、ノイズやバイブレーションが少なく高級車とも思えるドライビングフィールは今までにないスーパーカー。車高が低いため段差での突き上げを感じる部分はスポーツカーのような感覚になりますが、その他の部分では上品な車に乗っているような感覚にすらなってしまいます。とはいえ、BMW i8はスーパーカー。アクセルを深く踏み込めば電気モーターと小型ながら十分なパワーを発揮させるエンジンによって車体をグイグイ前に進めます。モーターのトルクフルな部分とガソリンエンジンの伸びを組み合わせた途切れのない加速は今までのスーパーカーとはひと味違ったフィーリング。新しいフィーリングと高い環境性能を持ち合わせているスーパーカーがBMW i8の魅力です。
パフォーマンスとコストパフォーマンス
モーターとエンジンを効果的に使いパワーあるドライビングを楽しむことができるBMW i8ですが、パフォーマンスを支えるもうひとつのポイントがカーボンとアルミを使ったボディとフレーム。最新のマテリアルを使い軽量かつ高剛性なボディを身につけたこともBMW i8のパフォーマンスを支えているカギなのです。軽量であることは重量税が安く、1.5Lエンジンにより自動車税も安く済みます。このような理由からもBMW i8はコストパフォーマンスにも優れています。スーパーカーはお金がかかる、維持費がかかるという概念すら覆したスーパーカーがBMW i8なのです。車体本体価格は1917万円と安くはありませんが世界の名だたるスーパーカーに比べれば比較的リーズナブルであり維持費も安い魅力的なスーパーカーがBMW i8なのです。パフォーマンスもコストパフォーマンスも環境性能も妥協していない次世代のスーパーカー。それが、BMWのサブブランドBMW iからリリースされたi8といえるでしょう。
[ライター/齊藤 優太]