日本でも走っている?!ポルシェのプラグインハイブリッドスーパーカー918スパイダー

リアエンジンリアドライブの名車911を長きに渡り進化させ続けてきたポルシェが2010年に発表したコンセプトカーの市販モデルが2013年にリリースされたプラグインハイブリッドスーパーカーが918です。今回はポルシェが考える新たなスーパーカーを分析していきましょう。

コンセプト発表から短期間で市販化した918


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2010年に発表されたコンセプトカーから1年後には日本でも予約受注が開始された918。なぜこんなにも早く予約受注を開始できたのか。そして2013年、コンセプト発表から3年後には市販化しています。なぜこんなにも早く市販化することができたのか。それは、ポルシェがレースの現場で培った技術、かつて販売されたスーパーカーカレラGTの開発で得たノウハウを有効に使うことができたからです。

モチーフとなったレーシングカー917、かつて販売したミッドシップスーパーカーカレラGTの要素を組み合わせ、高い環境性能を実現するためにプラグインハイブリッドシステムを搭載したことで短期間に動力性能面でも環境面でも高性能なスーパーカーを開発することができたのです。

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ポルシェ918のメカニズム


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ポルシェがリリースしたプラグインハイブリッドスーパーカー918は全長4497mm全幅1928mm全高1091mm。車両重量はカーボンモノコックを基本としてアルミニウムやマグネシウムなど軽量素材を使用したことで1490kgと軽量に仕上げられています。ミッドシップに搭載されるエンジンはV型8気筒4.6Lエンジン。さらに2つのモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載。

このシステムにより高いパフォーマンスを発揮させながらも環境性能を犠牲にすることなく高性能なモデルを作り上げることに成功。トランスミッションは7速PDK(デュアル・クラッチ・トランスミッション)。エンジンとモーターのコンビネーションによる最高出力は887PSでスーパーカーを名乗るのにふさわしい数値。エンジン、モーターなどのパワートレインは地面に近い位置に搭載され低重心化しています。

低重心化することにより安定した走行性能や旋回性能を高めることができました。カーボンファイバーによる軽量ボディにより停止状態から時速100km/hまでわずか2.8秒。最高時速は345km/hと高性能車やハイブリッドスポーツカーやスーパーカーが増えてきた現代でも引けを取らない性能を備えています。

918は現在のポルシェデザインの原型⁉


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ポルシェが提案したミッドシッププラグインスーパーカーである918は性能面も優れていますが実はデザイン面でも新しい提案をしてきました。現在のポルシェデザインに見られる横長のLEDテールレンズ、ヘッドライト内の4灯ポジショニングライトは918から取り入れられたと言っても過言ではないでしょう。またポルシェのハイブリッドモデルに共通する蛍光カラーのブレーキキャリパーも918に使われています。

エクステリアは全体的に低く、曲線を使ったデザインが採用されています。ドアを開け乗り込もうとすると見えるのは分厚いカーボンサイドシル。言葉で表現するのであればサイドシルをまたいで乗り込むといった表現が適切なほど分厚いのです。ドライバーシートに身を収めると見えてくるのはステアリングスイッチ付きステアリング。現在のポルシェカタログの表記で言うところのGTステアリング。ステアリングから覗くメーターは3眼で中央にはアナログタコメーターとデジタルスピードメーターが配置され、パワーメーターや回生レベルがLEDランプによって表示されます。中央のメーターひとつで必要情報は十分に揃っているといえるほどコンパクトながらも視認性を犠牲にせず必要な情報をドライバーに与えてくれるメーカーが中央に配置されています。

タコメーターの左にはアナログ表示のスピードメーター、右には燃料計と水温計が配置されそのほか両側のメーター内には日常でのドライビングに必要な情報も表示してくれます。ドライバーシートとパッセンジャーシートの間にはタッチパネル式のオーディオ・エアコンなどのスイッチ類が配置されています。

918のパフォーマンス


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ポルシェのプラグインハイブリッド918はエンジンとモーターが組み合わされていることにより瞬時にトルクを発揮させ強烈な加速を味わうことができるだけでなく、9000rpmまで許容する高回転型エンジンによる伸びやかな加速により途切れることなくパワーを発揮します。前後に配置されたモーターによる独自の四輪駆動システムによって安定感と安心感があり800PSオーバーのモデルと感じさせないのも918の特徴。強烈なのは加速だけではありません。制動力もスーパーなのです。回生ブレーキだけでも0.5Gもあり非常にパワフル。いかにもポルシェらしいブレーキ性能ということができます。

プラグインハイブリッドスーパーカー918は買えるのか⁈


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今でも魅力的なプラグインハイブリッドスーパーカーであるポルシェ918。手に入れることはできるのでしょうか。そもそもポルシェ918は車名にちなんで918台限定生産。もちろん全て完売しました。これほど貴重なモデルが日本に存在するのでしょうか。実は存在しており日本人オーナーも存在していました。販売当時の新車価格は約1億円、リセールに出されても1億円オーバーで取引されています。日本への導入数が少ないことから目にすることは少ないものの日本でも見るチャンスや手に入れるチャンスはあるということ。ただし頻繁にリセールに出されることがないため手に入れるのは難しいでしょう。

ポルシェの将来を作った918

ポルシェ918は次世代のスーパーカーの姿を具現化したモデルでもあり後のポルシェデザインにも影響を与えたモデルであることがお分かりいただけたかと思います。電動化が進む自動車業界においてパフォーマンスも環境性能も犠牲にしないポルシェらしさが満載のスーパーカーがポルシェ918なのです。新車で手に入れることはもちろんできず、中古車でも出に入れることが難しいモデルですが機会があったら是非とも乗ってみたいモデルのひとつですね。

[ライター/齊藤 優太]